96穴形質転換

今日は急ぎの実験も無かったし、昨晩仕込をしていたこともあり、
96穴プレート4枚で酵母deletion collectionの形質転換をやってみた。
今日はとりあえず5まで。
予備実験でやった形質転換は野生型株を用いているため、破壊株ではさらに効率が落ちることが予想されるが、とりあえずこの4枚で様子を見る。
プロトコールは既存のものを参考にしつつ、
最少の手間でできるようにさらに自分なりに省力化したが、まだDNA濃度やらバッファー濃度は最適化されていない。
とりあえず自分の頭を整理するために以下にプロトコールおよび問題点を書き出すことにする。
他にいい方法があれば誰か教えてください。

  1. 96穴プレートにYPD液体培地を150μlずつ分注し、そこに菌体をfloggerでレプリカして26℃にincubate (O/N)
  2. 96穴プレートを遠心し、上清をaspiratorで除く
  3. 50μl程度の0.1M LiCl in TE (LiClよりLiAcの方が一般的)でwash。上と同様にaspiration
  4. 38%PEG4000 in 0.1M LiClを30ml、プラスミドDNA 200μl、salmon sperm DNA 200μl、DMSO 3mlをmixしたもの60μlずつでそれぞれの菌体をサスペンド
  5. 26℃でincubate (O/N)
  6. 水浴でheat shock 42℃ 10min
  7. 遠心して上清を捨て、milliQ waterでwash
  8. 選択培地にまく(ここをどうするかはまだ決めていないが、floggerでプレートに型をあらかじめつけておき、その上に5μlずつの水でサスペンドした菌体を乗せるのが現実的だと思う)

このプロトコールで問題なのはPEG溶液で菌体をサスペンドする時だ。
大量に捌くには粘度が高すぎる。
実際このステップだけで4枚分のサスペンドに1時間半ほどかかる。
ロボットで自動的に形質転換をさせるようなシステムがあるらしいが、
そのシステムではPEGのような粘性の高いバッファーは使っていない。
そこで用いているバッファーと同じようなものを使えばいいのだが、
どうもそこが分からない。
もう一つの問題はDNA濃度の最適化。
この系での形質転換は通常の操作より効率がかなり落ちる上、僕の実験ではプラスミドを2種類持たせたいのでさらに効率が落ちる。確実に形質転換体を得るためにはかなり高濃度のDNAが大量に必要になる。
これを何十プレートもやるためには相当な重量の大腸菌からDNAを回収しなければならない。
効率が上がればDNA濃度を低くできるのだが・・・